「ALIS」(アリス)という、これまでにない、新しいかたちのメディアが生まれようとしています。ALISという名はalliance(同盟)とwisdom(知恵)をかけ合わせて作った造語。ALISはICO(Initial Coin Offering)(※1)にて、開始4分で1億円を調達しました。現在の調達金額は約4.1億円になるそうです。

今のデジタルメディアは、読者から購読料を得る「課金型」、クライアントからの広告収入を収益源とする「広告型」のいずれかの方法でマネタイズをしていますが、ALISはブロックチェーン(※2)技術を用い、ALISトークン(※3)の市場価値を高めていくことでマネタイズを図ります。ICOの資金調達のスピードからも高い注目度がうかがえるALISについて、3名の共同創業者のうち安昌浩氏と水澤貴氏のお二人にお話を伺いました。

お話を伺った方:株式会社ALIS CEO 安昌浩氏、CMO 水澤貴氏
インタビュアー:BWRITE編集部 水谷怜子

(※1) ICO(Initial Coin Offering):デジタルトークンを発行し、資金調達をすること。
(※2) ブロックチェーン:ビットコインの基幹技術として発明された分散台帳を実現する技術。データベースの一部(台帳情報)を共通化して、個々のシステム内に同一の台帳情報を保有する。
(※3) ALISトークン:ALISがICOで発行したデジタルトークン。ALISがローンチされると、ALISトークンによって利用者に報酬が付与される。

信頼できる情報や人に、いち早くアプローチできるメディア

BWRITE編集部 水谷怜子(以下、B):ALISをつくる根底にあった問題意識とは、どのようなものなのでしょうか。日本のデジタルメディアの環境をどのように見ていらっしゃいますか?

CEO安昌浩氏(以下、Y):今の情報化社会においては、もっと良い情報の伝え方、見つけ方があるはずなのに、情報の信頼性が担保できていないメディアがどんどん増えているように思います。メデイアの量が増えている中で、質の高い記事を見つけることが難しくなっていると感じています。

(※株式会社ALIS CEO 安昌浩氏)

CMO 水澤貴氏(以下、M):メディアのKPIはPVやUUがほとんどですが、それだけでは、自分が発信した内容が届けたい人に届いたのか、読んで役に立ったのかを確かめるためには不十分です。価値ある情報を発信することによって、その対価や報酬が得られたり、記事の持つ価値を社会に認めてもらえる環境を創り出すことができれば、良質な情報が溢れてくると考えています。つまり、「発信者に対する評価が適正になされれば、信頼できる情報が増え、読者に良質な情報を提供できる」という発想です。

素晴らしい内容を発信する人がいるにも関わらず読者に届かないとしたら、情報の橋渡し機能を担うメディアやプラットフォーム側の課題でもあります。良質な記事を、それが欲しい人にちゃんと届けるマーケティング的な発想が現在のメディアにはもっと必要なのかもしれません。

Y : ALISはメディアではありますが、自律的な仕組みに近いと考えています。ALISトークンは記事を書く人にも、記事を読む人にも報酬として配布されます。そうすると、ALISの中に良質な情報が貯まっていくにつれて、良質な記事を書く人や、信頼できる評価をする人がわかるようになります。すると、書き手や評価者という「人」そのものへの信頼度も可視化されます。

そのような環境が進めば進むほど、新たなビジネスチャンスが生まれるだろう、という期待からALISトークンの市場価値は上がります。ALISトークンの価値が上がると、上がったトークンがまた欲しくなるので、良い記事を書いたり、探したりします。この好循環の仕組み(=エコシステム)があること自体が、ALISの持つメディアとしての圧倒的な競争優位性であり、既存のメディアともっとも異なるポイントです。

ゆくゆくは、メディアという形態にとどまらず、発信する情報の質によって人の信頼度が可視化されるプラットフォームになりたいですね。個人の信頼によって取引できる、CtoCの経済圏になる可能性もあると思います。