洋服屋さんに入ったとき、店員さんに声をかけられることってよくありますよね。「なにかお探しですか?」「あ、それ最後の1点なんですよ」などなど……ありがたいこともあるけど、ほっといてほしいなあって人はきっと、少なくないのではないかと思います。

そんな場面を想定して、人気ブランド「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」が考案したのが、「声かけ不要」の意志を示すショッピングバッグ。現在URBAN RESEARCH系列の各店舗で、試験的に導入しているのだそうです。

【現役販売員に本音を聞いてみた】

「アーバンリサーチ」のこの試み、現役アパレル店員にはどう映るのでしょうか。そもそも、なぜ服屋の店員さんは声かけをするのでしょうか。いろいろと疑問が沸いてきたので、名古屋にある有名アパレルショップの店長さんに話を聞いてみることにしました。

質問その1:どうして声かけするの? 

Aさん:「声かけにはいろいろな意味があります。今しかやっていないキャンペーンやお買い得商品についてお客様に伝えることができますし、特定のアイテムを探しているお客様には、サイズ展開およびそのアイテムがたくさん陳列されている場所をご案内できます」

また、ちょっと本題からは離れますが、声かけが「お客様のこと見てますよー」のアピールにもなっている、つまり怪しいお客さんに対しての万引き防止策、というケースもあるんですって。なるほどね~!

質問その2:ぶっちゃけ、「声かけ不要バッグ」についてどう思っていますか?

Aさん:「時代には合っているかもしれませんが、販売員がいる意味がなくなるのではないかと。接客されたくないお客様がいることはもちろん承知ですが、接客されたくないかどうかは最初のお声がけでだいたい判断できます。なので、個人的には、このバッグは不要だと思っています」

「コミュニケーション次第で、長い顧客になっていただけることもあります。不快なお声がけはだいたい、タイミングが悪いのが原因」とAさん。また今は2wayや3wayで使えるものがあったりと、客の視線からだけではよくわからないものもたくさんあるため、最初に説明したほうが効率がいいのだそう。

その3:あなたのお店でも導入しそうですか?

Aさん:「接客をすることが自分たちの仕事。バッグの導入は自分たちの仕事を無くしてしまうことにつながるので……うちの会社は導入しないと思います」

Aさん、販売員としての本音を聞かせてくれて、ありがとうございました!

【Aさん「販売員として危機感を抱いている」】

ちなみにAさんは「声かけ不要バッグ」が登場した今、販売員として強い危機感を感じているのだそうです。

「これを機に、会話の言い回しや表情など、もういちど自分の接客を見直しています。お客様に『いい買い物をした!』と思ってもらうには、販売員の振る舞いも大切だと思うんです」と話してくれました。うんうん、たしかに自分がAさんの立場だったら、おんなじように思うだろうなぁ……。

【ちゃんとした店員さんなら接客されるメリットも】

わたしも、店員さんに声をかけられることをストレスに感じることはあります。じっくり品定めしたいのに横であれこれ言われると、「一刻も早くここから逃げたい……」と思っちゃう。

その一方でもちろん、店員さんの存在をありがたく思うこともあります。

店員さんに自分の好みを知ってもらうことで「これぞ!」というアイテムに出会えることがあるし、仲良くなればなるほど色々な情報も得ることができる。コーディネートの提案もしてもらえるから、ファッションの幅が広がるんですよね。要は、時と場合、そして店員さんの態度によるのかも?

さてあなたは、「声かけ不要バッグ」をどう思うでしょうか。アーバンリサーチの試みにどういった効果が見られたのか、またこの流れに続くブランドはあるのか、非常に気になるところです。

参照元:Fashionsnap.com
執筆=田端あんじ(c)Pouch