保護者によるSNS使用の常識ラインとは

タレントの辻希美さんが幼稚園で撮影した写真をブログにアップしたことが原因で、ママ友トラブルとなり、転園したというニュースがありました。問題となった写真にはクラスメイトの園児が写り込んでおり、子供の顔は修正され隠れていたものの、保護者の了承を得ることなくそのままアップしていたようです。

ブログ、ツイッター、フェイスブックなどを日常的に使用する人が増加している中、保護者のSNS使用、および、SNSにアップした写真で起きるトラブルも増えているのかもしれません。実際の状況はどうなのか、トラブルの有無やまたその対策について、複数の幼稚園で聞き込み調査を行ってみました。

保護者のSNS使用、幼稚園はどう捉えている?

ランダムに抽出した十数件の幼稚園で、保護者のSNS使用に関する状況を尋ねたところ、どの園からも、これまで大きなトラブルは一度も起こったことがないとの回答でした。

幼稚園での保護者による写真撮影は基本的に自由であり、特に制限や禁止などはしていないという園がほとんどのようです。筆者の経験からも、幼稚園の行事に参加する保護者はみな片手にデジタルカメラかスマートフォンを携帯しており、むしろ撮影していない人の方が少ないほどです。

ただ、撮影した写真を保護者がSNSに投稿しているかどうかまでは、園の方で把握することはできません。しかし、これまで特にトラブルもなかったため、幼稚園の方から保護者に対しSNS使用に関するルールや規制を設ける必要性も感じず、今のところ「保護者のモラルや良識にお任せしている」という園が大半を占めました。

保護者に求められる「モラルや良識」の中身とは

一方、幼稚園が園のホームページに写真を掲載することについては、入園時に了承を求める文書を作成し、保護者に配布しているとのことでした。さらに、パスワードを設定して保護者以外アクセスできないようにするなど、慎重な姿勢をとっているところも多いようです。

このことを基準に考えると、幼稚園側のいう「保護者のモラルや良識」とは、「無断で他人の写真をネットにアップしない」「写真を掲載するときは本人に承諾を得る」というものだと思われます。

また、ある幼稚園ではSNSへの無断写真投稿をはっきりと「非常識」とし、園での写真撮影は自由に行ってよいが、ネットにアップすることは原則禁止であることを入園前に説明しているといいます。

写真掲載の承諾は必要

保護者に直接行った取材では、自宅に遊びにきたママ友が、雰囲気がカワイイと気に入って部屋の一部を撮影し、無断でSNSにアップしていたという話も出てきました。不愉快な思いをしたので削除を求め、すぐに応じてくれたので大きなトラブルにはならなかったものの、心にしこりが残ったそうです。

SNSに投稿するために写真を撮る、という行為はもはや珍しいものでもなくなってきました。当たり前という感覚が広がる一方で、モラルの線引きも曖昧になりつつあります。しかし、「個人が特定されないよう配慮しているつもり」や「顔に修正を加えれば勝手に掲載してもOK」と考えるのは安易であり、やはり「きちんと相手に許可を得てからアップする」という手順は守るべきなのではないでしょうか。

(内野チエ)