かつて、「患者は医師にだまって従え」的な風潮もありましたが、今はかなり“インフォームド・コンセント”が浸透してきたように思えますよね。

それ自体は喜ばしいことなのですが、世の中にはインフォームド・コンセントについて、「患者が自分の意見を押し通していい」というふうに勘違いしちゃっている方もいるようです。あまり我の強い患者さんだと、医師だって治療の意欲がそがれてしまうかもしれませんよね。

そこで、今回はひろた歯科医院(福岡市早良区)の院長・廣田健先生からのお話をもとに、“歯医者が治療したくない患者の特徴”2つをお届けしたいと思います。

 

■1:プロの意見を聞かない人

「正直、一番診療したくないタイプです。原因をご自分で決めつけ、その原因が私が診断した結果と異なると、治療や必要な検査を拒否される方もおられます」と廣田先生は言います。

たとえば、“歯が欠ける”を例にしてみると、欠けた(穴が開いた)歯の両隣は健全だった場合、その原因は“歯の位置異常”であることが多いそうです。

歯の位置が原因で、食事のたびに歯に過度な力が加わり、穴が開いたり欠けることがあるのだそう。この場合、レントゲン撮影をし、欠けた歯だけでなくかみ合わせる歯も検査しないといけない、とのことです。

しかし、「虫歯で穴が開いただけだからレントゲンを取る必要もない。沁みているから神経の治療をし、上から銀歯を入れて終わりにして!」と治療方針まで自分で決めつけてしまう患者がいるそうなんです。

「欠けた原因を取り除かなければならないのに、レントゲン検査や口腔内の検査を拒否されては適切な治療を進めることができません。かといって、私たちは診療拒否ができないので、こういった方の治療には気を遣います。

専門知識を有するスタッフの意見をもう少し聞き入れてくだされば、今以上に健康になれるのにと、残念な気持ちになります」

最近は、ネット上で簡単に医療に関するさまざまな情報を入手できることもあり、“こうにちがいない”と素人判断に陥る患者さんは増えているかもしれませんね。しかし、その決め付けのせいで適切な治療を進められないというのは、本当に恐ろしいことです。

自分のカラダのことですから、自分で情報を集めることも大切ですが、生半可な知識でプロの意見をはねつけるようなことは絶対にやめましょう。

 

■2:何度も同じ質問をする神経質な人

「初診時に治療計画書を作成し、同意を得てから治療を始めているのですが、診療器具などを見て、“これで何をするのか?”、“これはどうやって使うのか?”など何度も同じ質問をしてくる方がいます。

毎回やっている処置でも必ず質問してくるので“前回と同じですよ”と答えても、納得してくれず、気づけば5分で終わる治療が説明のために30分以上かかっていたなんてことも……」

もちろん、疑問や不安があれば質問して、納得のうえ治療を進めることは大切です。しかし、同じ説明を何度も何度もしなければならないのは、歯医者さんだってうんざりでしょう。また、治療時間が長引くと他の患者さんに迷惑をかけてしまいますよね。

こんなことにならないためには、

(1)初診時にしっかり話を聞いて、この時点でなるべく疑問点は解消する

(2)記憶力に自信がなければメモをとる

(3)治療計画書などもらった資料はきちんと目を通す

などをしっかり行って、同じ質問を繰り返さないようにしましょう。

 

以上、“歯医者が治療したくない患者の特徴”2つをお届けしましたが、いかがでしたか?

医師側、患者側が協力し合ってスムーズに治療を進めるためにも、上記2つの言動はつつしんで、適切なコミュニケーションをとるように心がけたいものですね。

 

【取材協力】

ひろた歯科医院・・・福岡市早良区飯倉で夜10時(22時)まで診療している歯科医院。一般歯科治療のほか、かみ合わせの不具合や審美歯科、プラセンタ療法、歯科東洋医学を行っています。ブログ『ひろた歯科通信』では、雑学と歯科医療情報を発信中。Facebookページはこちら

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