「歯を磨いてもすぐ虫歯になってしまう」「口臭が心配」「思いっきり笑いたいのに歯が気になって手で隠してしまう」などなど、歯について悩んでいる女性は少なくないのでは?

20代の頃は服や化粧品にお金をかけていたけれど、年齢を重ねるうちに髪や歯のメンテナンスにお金をかけたいと思うようになったという声もチラホラ。

“若さ”にこだわるわけではないけれど、「人生100年時代」が到来すると言われている今、健康的に美しく人生を送りたいというのは多くの人が願うところなのではないでしょうか。

「医療機関の中で、唯一病気になっていなくても行けるのが歯科医院」とキッパリ言うのは「株式会社オーラルケア」の歯科衛生士・出口茜さん。むし歯や歯周病など病気になってからの「治療」ではなく、かかる前の「予防」を大切にしようという予防歯科を推進しています。

出口さんに「歯が気になるお年頃」の女性にとってためになるお話を4回にわたって聞きます。

「病気になる前に行けるのが歯科医院」

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——どうしても歯科医院って「問題が起きてから行く場所」という意識がありました。メンテナンス目的だけで行ってもいいんですか?

出口:医療機関の中で、唯一病気になっていなくても行けるのが歯科医院なんです。私は、歯科医院は「自分が健康かどうかを確認する場所でなければいけない」と思っています。行けばお口の病気の防ぎ方もわかります。予防法はもう確立されているのですから、悪くなるのを待ってから行くのではなく、「病気にならないために通う」というのが本来の通い方だと思います。

——なるほど、むしろ行ったほうがいいんですね!

出口:ただし、日本は予防が自費診療になるので、予防歯科というのはあくまで自分の責任で行うものという扱いなんです。

——なるほど。

出口:たとえば予防先進国と言われているスウェーデンは、予防が保険適用で、治療になると自費なんです。だからみんな必死にケアをする。でも、ひとりひとりがそれぐらいの意識を持って予防に取り組まなければ、歯科に限らず、医療費だって下がるわけがないですし、平均寿命と健康寿命の差を埋めることにもつながらないと思います。

——本当にそうですね。ただ、こまめにメンテナンスに行ったほうがいいというのはわかるのですが、現実として痛みがなければなかなか足が向かいかないんですよね。

出口:30代になると身体の抵抗力がどんどん弱まってくるのですが、それに伴って口の中にある細菌も悪さを始めます。すると、歯茎が腫れやすくなったり、血が出やすくなったり、加齢によるだ液の減少よって口臭が強くなったりという症状が出てきます。むし歯や歯周病のリスクが一気に跳ね上がるので、30代を皮切りに、さまざまな口腔内のトラブルが起こりやすくなるんです。

日本は口臭に対する意識が低い?

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——口臭も実は気になっている部分です。

出口:在日外国人の約7割が「日本人の口臭にドン引きした経験あり」という調査結果があります*。口臭を感じたシチュエーションとしては、電車やバス、タクシーなどの公共交通機関や職場という回答が多く、さらに約4割が口臭を理由に「日本人とキスしたくない」と感じたことがあるそう。

素敵な女性であっても、最初から恋愛対象外にされてしまうということなので、すごく損している。慢性的にかいでいると、自分の口が臭くても認識できないんですよね。
*オーラルプロテクトコンソーシアム調査。調査対象は在日外国人(米国50名、欧州50名)計100名。調査時期は2016年6月。

——職場や友だちに口臭のキツい人がいても、本人に伝えるのはなかなか難しい……。日本人はそもそも歯並びやオーラルケアへの意識が低いと聞いたことがあります。

出口:日本、米国、スウェーデンでオーラルケアのアイテム(歯ブラシ、歯磨き粉、デンタルフロスなど)にかけている金額を調査したところ*、日本人の年間購入金額は4,965円だったんです。これが米国に行くと8,354円、スウェーデンが8,451円とほぼ2倍になります。
*ライオン株式会社調べ。2014年2月発表。

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——どういうことですか?

出口:米国やスウェーデンの人は、フロスやリンスなどケアアイテムにお金をかけているというのもあるんですが、メンテナンス費用もかけているんです。

例えば、「予防のための定期検診を受けているか」という質問には、日本人の約6割が「受けていない」と答えたのに対し、スウェーデンでは約6割が「年に1回は必ず受ける」と回答。米国では「年2回受ける」と答えた人の割合が最も多く(34.9%)、過半数が年に1〜2回は必ず受診していることがわかりました。

米国のメンテナンス費用は1回およそ1万5,000円ぐらいだと言われていますから、年2回通ったとして計3万円。これにケアアイテム費用を加えると、年間約4万円になります。日本人はケアアイテムのみの4,965円だけですから、米国人はオーラルケアに日本人の約10倍のお金をかけているという計算になります。

——10倍! 歯に対する意識がすごく高いんですね。

出口:「欧米人がしているからいい」というわけではないですが、結果、口臭や歯の健康度に結果として差が出ているので、この部分は日本人は見習ったほうがいいと思います。

——実は、私事ですが、30代になってから、むし歯治療にすごくお金を使ったんです。特に痛みもなかったのに、たまたま昔治療した詰め物がとれて、歯科医院に行ったら次々とむし歯を指摘され……。銀歯にするのがイヤだったので、セラミックの詰め物にしたら、1本3〜4万円もかかりました。

先ほど、予防のための歯科診療は保険がきかないというお話でしたが、普段から歯科医院に行っていればセラミックも必要がないわけですし、総合的に見れば診療代も安くなる可能性ありますよね? 次回は、歯とお金の関係について詳しく教えてください。

※次回は10月18日(水)更新です。

(取材・文:新田理恵、写真:宇高尚弘/HEADS)

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