「こういう交渉ごと、管理職の仕事なのになんで私が……」「この仕事は、一般職の女の子の領域だろ」なんてヒソヒソ話は、ほとんどの会社で繰り広げられているものだろう。

一般職と総合職、管理職と非管理職、ワーキングマザーとサポートに回る社員……。見えない壁を並べていくと、会社は出口のない迷路のようになる。しかもギスギスした迷路だ。

“ガラスの天井”という言葉が象徴するように、女性が組織の中で出世していくのは難しい。しかし、女性の管理職が増えないのは、組織の構造だけではなく、管理職へのネガティブなイメージにもよるようだ。

でも、働く女性として人生のリスクを少しでも下げたいと思うなら、やはり“管理職”を目指すべき理由があるという。

今回は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査と、アメリカでベストセラーとなった書籍『ハウスワイフ2.0』(エミリー・マッチャー著、文藝春秋)とを参考に、働き女子なら“管理職を志すべき”理由について探っていこう。

 

■「管理職を目指す女性は1割」の衝撃

一流大学を出てエリート職に就きながら、キャリアを捨てて専業主婦になる女性たちにスポットを当て、昨年大きな話題となった『ハウスワイフ2.0』の中で、著者のマッチャー氏は、

<会社の人事部は、女性のパイプ漏れ現象に苦慮している。仕事に就いた当初は女性のほうが有能でも、地位が高くなればなるほどパイプから漏れ出すように女性が減っていくという現象だ>

と指摘している。

同じような“パイプ漏れ現象”は、アメリカと同様、日本でも起こっている。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、日本で正社員として働く男女3,000人に対して行った調査によると、現在管理職についている社員の割合は、男性が29.3%、女性が7.8%と4倍近い開きがあることがわかった。

さらに、「管理職(課長職以上)になりたい」と回答した割合は、男性の43%に比べ、女性は12.9%ときわめて低い水準であることもわかった。

 

■ズバリ聞く!女性が管理職になりたくないワケ

それでは、出世を望まない女性の理由とは、一体何なのだろうか?

とくに女性からの意見として多かったのが、「家庭(プライベート)との両立が難しい」「ロールモデルがいない」という理由。また、「残業代がつかない」と、金銭的なメリットが少ない点をあげる人も多くみられた。

トコトン出世しなければ、いくら働こうが給料はあまりあがらない。上司と部下の“板挟み”に合いつつ、女性管理職のいない組織で“イバラの道”を切り開く勇気はない……。

 

■「ゆるキャリ」を続けるのはキケン!?

同書編集部による『ハウスワイフ2.0』の巻末解説では、日本で総合職としてバリバリ働く40~50代の“バリキャリ女性”が、若い女性の“アンチ・ロールモデル”になっているのではと分析しつつ、

<「自分はああなりたくない」と心に誓い、「ゆるキャリがいい」、もしくは「いつかは専業主婦」になりたい、と願う>

という傾向について指摘している。

たしかに、親が元気で、夫と家計をシェアしている間は、“ゆるキャリ”でも家計はまわるかもしれない。しかし若い女性が出世を拒み、経済的な自立よりも補佐的な仕事やパートタイムの仕事を選び、第一線で働くことをあきらめることは、後々の人生で大きなリスクとなる可能性がある。

せっかくなら、管理職を目指すことで、人生全体のリスクを下げることも重要と言えるだろう。

 

以上、管理職になりたくない女性が多い状況と、それでも“管理職を志すべき”理由についてお届けしたが、いかがだろうか?

「私にはこの働き方しかない」と決めつけず、管理職を経験してキャリアを積むメリットも考えてみることが大切だ。のみならず、女性が管理職にチャレンジしやすい雰囲気づくりは、“社内のギスギス迷路”の緩和にもつながるはずだ。

 

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