【最新シネマ批評】
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかから、おススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。今回は主演俳優のインタビュー付です!

今回ピックアップするのは『LOGAN/ローガン』(2017年6月1日公開)です。『X-MEN』シリーズで17年間活躍していたウルヴァリン(ローガン)の映画もついにラスト。演じるヒュー・ジャックマンにとっては自身をスターにした映画ですからね、とっても感慨深いはず!

その最後のウルヴァリンを描いた『LOGAN/ローガン』を私も見させていただきましたが、ウルヴァリンは老いたとはいえ、実に人間味あふれるミュータントになっており、逆に新鮮でした。

今回はレビューとともに、来日したヒュー・ジャックマンのインタビューもお届けしますよ。では物語から。

【物語】

舞台は2029年。長年の闘いと老いのため治癒能力が低下したウルヴァリンこと、ローガン(ヒュー・ジャックマン)。もう不死身ではありません。一緒に行動するプロフェッサーXこと、チャールズ(パトリック・スチュワート)もテレパシー能力をコントロールできなくなっていました。

そんなとき、ある看護師からローラ(ダフネ・キーン)という11歳の女の子をノースダコタに送り届けてほしいと頼まれたのです。しかし、そのローラは普通の女の子じゃなかった。彼女にはローガンに似た肉体の特徴と驚異的な身体能力の持ち主だったのです。

【シリーズでいちばんハラハラするアクション】

ウルヴァリンはいつもスクっと立っており、無敵で強いと思い込んでいたので『LOGAN/ローガン』を見て「え!」とちょっと驚き。あいかわらず胸板は厚くたくましいボディですが、ギラギラ感がなく枯れかかった感じで、これはこれで渋くて素敵なんですが、「どうしちゃったんでしょう」という不安もよぎりました。

しかし闘いに身を投じると、ギラつきが甦り、やっぱり強いのですけれど、結構ギリギリで闘っている感じはありました。そのあたりの「強いけどちょっと以前とは違う」という微妙なところをヒューは素晴らしい演技で表現していました。

強すぎないから、アクションシーンはシリーズで一番ハラハラしましたね。前作まではウルヴァリンに「守ってほしい!」と思っていたけど、本作はけっこう痛めつけられるので「大丈夫ですか?」と声をかけたくなる感じとでも申しましょうか。

【ヒュー・ジャックマンに直撃インタビュー】

『LOGAN/ローガン』のプロモーションでヒューが来日したとき、実はわたくし、少し時間をいただき、ヒューにプチ直撃インタビューをさせていただいたのです!

最後のウルヴァリンということで、なんと言っても17年間演じてきた役とお別れしたときのことを知りたかったので、どんな状況でどんな気持ちになったかを聞いてみました。

ヒュー「最終日はすごく興奮し、同時にプレッシャーも感じていました。絶対にいいシーンにするぞ!と気合も入りましたね。でも実際は、天気が悪くて、最初のうちは “急いで!” とバタバタしていたんです。

あとローラ演じるダフネは新人なので、彼女の世話をやいていて、自分のことは後回し(笑)。ただジェームズ・マンゴールド監督が “あと30分あげるよ。焦らずゆっくり最後のシーンを撮ろうか” と優しい言葉をかけてくれてうれしかった。思い出に残るお別れになりました」

と、ヒュー様、しみじみと語っておりました。

【家族愛に目覚めるローガンを見てほしい】

「このシリーズは男子の人気が高いけど、女子に向けてアピールするとしたら、どこですか?」という質問には、こんな風に答えてくれました。

ヒュー「『LOGAN/ローガン』は今までで一番、女性向けだと思いますよ。ローガンとチャールズの父と息子のような関係、ローガンとローラという父と娘のような関係が描かれていますからね。人と情で繋がったりするのが苦手なローガンが家族愛に目覚めるのです。女性にはそこに注目してほしい。

そうそう、僕の妻は、『X-MEN』『ウルヴァリン』の全9作品の中で、『LOGAN/ローガン』が一番好き! と言っていたな。妻の言葉が物語っているでしょう(笑)」

ちなみに本物のヒュー・ジャックマンは、すごく顔が小さくてビックリ! ウルヴァリンのときはあの独特のヘアスタイルと髭、モミアゲで顔面ボリュームアップしたんですね。とっても優しくしていただき、2回も握手しちゃって、ポーっとなってしまいましたよ。

壮絶アクションの中に家族のドラマを潜ませた最後のウルヴァリンを描く『LOGAN/ローガン』。彼氏を誘えば絶対にOK、デート映画にも向いていると思います。

執筆=斎藤 香 (c) Pouch

『LOGAN/ローガン』
(2017年6月1日より、TOHOシネマズ日劇他、全国ロードショー)
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、リチャード・E・グラント、ボイド・ホルブルック、スティーヴン・マーチャント、ダフネ・キーンほか
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation