あなたの腸内環境は正常ですか? 腸内環境が悪いと便秘などの問題だけでなく、免疫力などにも影響を及ぼすと言われているので、なるべくいい環境にしておきたいものです。今回は、健康運動指導士で管理栄養士の藤田朋子さんに、“腸内環境を悪くしてしまう生活習慣”について聞いてみました。

腸内細菌は消化・吸収・排泄にとって大事

腸内には善玉菌や悪玉菌などの腸内細菌がすみついており、腸内細菌は腸内での消化・吸収や排泄といった身体を整えるために必要な働きや、ヒトが合成できない一部のビタミンを合成し、栄養学的な面から支える働きをしているといいます。

しかし、腸内細菌のバランスや働きに異変が起きてしまい、腸の働きが悪くなってしまったり腸内が汚れてしまったりすると腸内環境が悪い状態となります。では、腸内環境が悪くなってしまう原因は、一体何なのでしょうか?

原因1:食生活の乱れ

腸内環境が悪くなってしまう原因は様々ですが、実はほとんどが食生活の乱れによるそうです。

腸内の善玉菌は食物繊維をエサにして増殖し、ヒトにとって良い働きをします。しかし、暴飲暴食を繰り返したり、不規則な食事やバランスの悪い食事を摂っていると、腸の負担が大きくなり善玉菌よりも悪玉菌が増えてしまいます。

「悪玉菌は、腸内のたんぱく質を腐敗させ、有害なガスや発がん性物質を作ってしまったり、腸の働きや動きを弱らせる善玉菌を減らすといった、腸にとってもヒトにとっても好ましくない働きをします」

悪玉菌が増える食生活

この悪玉菌は、野菜が足りずに動物性食品中心の脂質が多い食事や、ファストフードやコンビニ弁当、インスタント食品、レトルト食品を食べる頻度が多いと増えやすいと言われているそうです。

「動物性食品に多く含まれている脂質は“飽和脂肪酸”を多く含み、常温では固形になりやすいので、腸内の粘膜に張り付きやすく、それを悪玉菌がエサにしやすくなります。

また、ファストフードやコンビニ食なども飽和脂肪酸が多く、更に食品添加物や保存料が含まれているものもあります。その添加物などが善玉菌を殺してしまうなど、腸内細菌のバランスを崩してしまうとも言われています」

改善点として、食事は1日3食バランス良く、消化器に負担をかけないようしっかり良く噛んで食べること。肉類や添加物の多い食事を控え、魚類や植物性食品もしっかり摂るようにすることが大切だそうです。

2:体を冷やす

「35度台の低い体温だと、アレルギー症状が出やすくなるなど、免疫力の低下が起こると言われています。

実は腸には、全身の6~7割近い免疫細胞が集結しているといわれており、などの症状も免疫が絡んでいます

便秘を解消しようと荒療治として冷やす方もいるようですが、冷やすことを繰り返すことによって、腸に集結している免疫細胞の働きが弱くなってしまうのだとか。

免疫力の低下だけでなく肌の状態に影響も

また、冷やすことによって、腸内の消化酵素がしっかり働きにくくなってしまうので、栄養素の吸収がスムーズにいかなかったり、血流も悪くなるので肌の状態も悪くなってしまいます。

「そもそも冷えは万病のもと。火傷や発赤、発熱がある時以外は、腸に限らず冷やさないようにしていきましょう」

基本的に温かい料理を食べ、朝起きがけのコップ1杯のお水は常温や白湯にしてみましょう。また、入浴時はシャワーだけで済まさず、しっかり湯船に浸かる習慣もつけるといいそうですよ。

3:運動不足

実は運動不足も腸内環境を悪くする原因の一つと言われているそうです。

「運動不足は体力や筋力を低下させてしまいますが、中でも腹筋が弱まると蠕動運動(便を出すための腸の運動)も弱くなるといわれています。すると、便秘になりやすく悪玉菌が増えやすくなってしまうのです」

運動習慣があまりない方は、まずは姿勢の意識と、ウォーキングから始めてみてはいかがしょうか? 姿勢を意識するということは、自然と腹筋や背筋を意識することにつながります。

エレベーターではなく階段を使う、少し遠回りをするなどして、無理のない範囲で今よりもプラス10分多く歩くところから意識してみましょう。

4:睡眠不足

睡眠不足も腸にとっては大敵となるそうです。

「睡眠により自律神経を整え、交感神経と副交感神経の切り替えをしていきますが、睡眠時に優位に働くのは副交感神経の方です。

腸などの消化器官は、副交感神経が優位の時にしっかり働くようになっています。ところが、睡眠不足の状態は、副交感神経よりも交感神経が優位になりやすいので、消化器官の機能低下を招き、便秘や下痢になりやすいといわれています」

睡眠をとることによって、腸の働きが活発になり、老廃物を便として出しやすい状態になるのですね。

快適な睡眠を取るための秘訣

「また、快適な睡眠をとるためには、メラトニンというホルモンが絡んでいきます。

メラトニンは、朝起きてすぐに太陽の光を浴び、朝食にたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品、乳・乳製品)を食べることによって、夜就寝する時間帯に分泌されやすくなります。

朝食は、腸が一番活発に働いているタイミングでの食事になりますので、自然と便秘の予防にもつながり、腸内環境を良くすることにも繋がります」

また、睡眠の質を上げるためにも、就寝前は、パソコンやスマホのブルーライトを避け、部屋を少し薄暗くしてゆったりとストレッチを行い、リラックスすることも効果的だそうですよ。

いかがでしょうか? 腸内環境のためにできることは、結構多くありそうですね。便秘などの悩みがないから大丈夫ではなく、さらに環境を整えるために、日々の生活でも気を付けていきたいですね。

(ライター 大山奏)

【取材協力】

※ 藤田朋子・・・健康運動指導士、管理栄養士。千葉県在住。幼いころから体育が苦手だったが、大学卒業後、公共運動施設のスタッフとして働く中で、運動の良さを認識する。26歳の時、小学生の頃から飼っていた愛犬の認知症介護と死をきっかけに、人間だった場合の介護の負担の大きさに気付く。以後、介護予防に目覚め、若年~中年の特定保健指導やフィットネス指導、高齢者向けの体操教室などを通じて“将来、介護・看護を必要としない身体作りを広める”をコンセプトに活動中。『Fトモの本音』

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