2017年2月24日、イスラエルのテルアビブで行われた「テルアビブマラソン2017」。同マラソン大会開催以来、最高の4万人が参加したこのマラソンを舞台に、メインスポンサーであるサムソンが一大デジタルキャンペーンを展開しました。

リアルなマラソンをしながら、バーチャルの世界で得点を稼ぐというユニークな試みが展開された今回のマラソンでは、さらに得点をリアルな現金に換算することで、NPO団体にサムソンが寄付を行うというソーシャルプログラムを融合しました。デジタルを通じて、「社会貢献とブランディング」を同時に展開した、珍しい事例です。

テーマは、題して「走って、遊んで、寄付しよう」です。

▼Leo Burnett IsraelのYoutubeより
https://www.youtube.com/watch?v=jUNuvBxqcw8

まるで気分はリアルスーパーマリオ

ランナーは、走行路にあるバーチャルコインマーク(Sマーク ※2)を通過するごとに、腕につけたタイミングチップを通じてバーチャルコインを獲得できます。獲得したコインは、実際の現金に換算され、後日ランナーの名前でサムソンがランナーの希望する団体へ寄付を行うという仕掛けです。

(※1)Sマーク:
Sマークは、日本でいうところの¥マーク(円マーク)に近いもの。イスラエルの通貨単位、ILS(イスラエルシュケル)を表す。

▼Sマークのステップパッドを準備するスタッフ

スーパーマリオや、ソニックなどのビデオゲームにインスパイアされて考え出された企画は、サムソンの最新テクノロジーをアピールするのにぴったりのものとなりました。

ランナーに配られた腕時計型のチップは、レース参加者の走行に関する細かいデータを記録します。走行路の地面に所々バーチャルコインマークの「S」と書かれたステップパッド(上記写真参照)が配置されており、ランナーがその上を通過する度、チップに情報が送られ記憶されるという仕組みです。

▼SamsungIsraelのYoutubeより
https://www.youtube.com/watch?v=4vAhtf2TXwA

このチップの情報は、サムソンのデータベースに入った後、現金に換算され、その総額は2,090,638ILS(約6270万円)に上りました。

大会専用の社会貢献プラットフォーム「RUNNING FOR CAUSE」

同マラソン大会は「Run for a cause (ランニングフォーコーズ)=いいことをするためのランニング」と題した社会貢献プラットフォームを構築し、「メイク・ア・ウィッシュ(※2)」を始め89に及ぶNPOから、各ランナーが支持するイスラエルのローカル団体へ寄付ができるようにしています。

(※2)メイク・ア・ウィッシュ:
難病と闘う子どもたちが夢をかなえることをサポートする国際的ボランティア団体。

専用サイトでは、追加寄付の送付や、友人に寄付を募るためにソーシャルメディアでシェアをするといったことも可能です。走ることを通じて社会貢献を行う試みを、これまでもテルアビブマラソンは行ってきています。そして今年は「ゲーム性」を取り組みことで、より楽しく社会貢献に協力できる仕組みが用意されている点で注目され、世界的に多くのメディアに取り上げられました。

欧米では一般的な、スポーツによる社会貢献。サムソンは数々の実績あり。

現在イスラエル最大のスポーツイベントとなっているこのサムソン主催「テルアビブマラソン」。走行路には、DJブースが設置され、12人のDJたちがそれぞれブースを拠点に会場を盛り上げていました。さらにランナーを見守る見学者が15万人というお祭り気分な中で、このようなリアルとバーチャルの融合をきっかけに、社会貢献まで完了させるという仕組みは、多くの関心を集め成功しました。

ところで海外では「A-Thon(エーソン)」と呼ばれるチャリティーを目的に行うイベントは非常に一般的で、その代表的なものが「Jog-A-Thon(ジョグアソン)=ジョギング、マラソン」です。
他にも、「Read-A-Thon(リーダソン)=読書チャリティー」、「Walk-A-Thon(ウォーカソン)=チャリティーウォーキング」や「Bowl-A-Thon(ボーラソン)=チャリティーボーリング」などがあります。

今回のマラソンは名称に「A-Thon」は付いていないものの、スポーツを通じてチャリティーを行う欧米文化の中では、非常に受け入れやすい社会貢献型マラソンでした。

スポンサーであるサムソンは、過去にもランニングやマラソンなどのイベントで、チャリティーを積極的に行ってきた経緯があります。その代表的なものは、2012年のロンドンオリンピックの年、リアルスポーツをアプリと連動させた企画です。「歩いたり、走ったり、泳いだ」分をサムソンが利用者に変わって約1億円まで寄付するという企画を行っています。

参加人数が多いほど、チャリティーの規模は大きくなります。そういう点で、4万人が参加したテルアビブマラソンでは、寄付の総額が6000万円を超えるという成功を収めました。既存メディアだけでなく、こうしたゲーム感覚がソーシャルメディアを通じて広まり、包括的にサムソンのテクノロジーをPRすることに成功した事例となりました。

text/Yukie Liao Teramachi

■関連サイト
テレアビブマラソン:
www.tlvmarathon.co.il
Running For Cause
https://charity.tlvmarathon.co.il/en
Samsung Israel Youtube
https://www.youtube.com/user/SamsungIsrael
Samsung Israel Instagram
https://www.instagram.com/samsungisrael/

(参考記事)
Marketing Communication News:
http://www.marcomm.news/samsung-presents-the-gaming-marathon-where-your-running-is-turned-into-a-donation/

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