突然ですが、あなたは資産運用していますか? 「住宅購入・教育資金・老後の生活」などのために、まとまったお金を貯めておきたいものです。しかし現在、預貯金の利率は限りなく0%に近く、経済成長率を考えるとむしろ目減りしている状況です。
そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの筆者が、預貯金より利率が高い資産運用の仕方について、その基本をお伝えします。

1:資産運用の基本、“リスク”と“リターン”とは

資産運用=株式投資をイメージして、「相場が下落して損失が出たらどうしよう」と二の足を踏むかたも多いのではないでしょうか? しかし、このように資産運用に対するアレルギーを持ったままでは、資産運用を始めることはできません。

そこで、これから資産運用を始めたいという方に、まず基本となる“リスク”と“リターン”の考え方についてお伝えします。

リスクとリターンとは何か?

はじめにリスクとは、“価格変動のブレ”をいいます。どの投資対象も、日によって価格が高くなったり低くなったりしています。この価格のブレ幅が大きいとリスクが大きく、逆にブレ幅が小さいとリスクが小さくなります。

一方リターンは、“投資で得られる利益”のことを言います。リスクが大きいものほどリターンが大きく、リスクが小さいものほどリターンが小さくなります。“ハイリスク・ハイリターン”、“ローリスク・ローリターン”の関係にあるということです。

ですので、リスクが大きい株式投資の方がリターンが大きく、リスクが小さい預貯金はリターンも小さくなります。

2:自分に合った投資方法を見つける

リスクとリターンは、表裏一体の関係にあるということが分かりましたね。

では次に、それを踏まえ、あなたはどのような金融商品に投資をしますか? 「安全性を重視したい人」「老後資金を増やせるなら若干リスクが高くてもよいという人」など、それぞれのライフプランや家計の構成により選択は異なってくるでしょう。

そこで、投資方法をリスクとリターンの小さい順から並べてみました。どのランクの投資が良いか迷っている方は、参考にしてみてください。

リスク・リターン最小:預金・国債

リスク・リターン小:外貨預金

リスク・リターン中:投資信託・変額保険

リスク・リターン大:株式投資等

リスク・リターン最大:商品先物・FX等

“資産運用=株式投資”をイメージしていた方は、これらの中の「リスク・リターン大」以上のものを想像していたことになります。株式投資をしなくても、預金との間に2段階あるので、リスクを下げた運用方法を選択することもできるのです。

“目減りしないほうがいい”、もしくは“多少増やせればよい”と思っているかたは、リスク・リターンが小、または中の金融商品を選ぶとよいでしょう。

3:目標金額を定め、投資対象を決定する

では、実際に具体的な数字を使って計算してみましょう。今45才の人が、老後資金として65歳まで運用するものとします。

<具体例に使う数字>
運用期間20年・目標運用金額1,000万円・運用に使える資金700万円

では運用資金の700万円を20年間で1,000万円にするためには、何パーセントの運用利率が必要なのでしょうか。

仮に、運用利率2%で1年複利(※「複利」については後述)で20年間運用した場合、終価係数(元本を一定期間、一定利率で複利運用する場合に、将来いくらになるかを計算するのに使う係数)は約1.48594なので、700万円は20年後には10,401,580円になります。

目標運用金額1,000万円を達成するためには、運用利率2%が見込めるものに投資すれば良いのです。

「たった2%で300万円も増えるの?」と驚く方もいると思いますが、そうなのです。ひと昔前は、ただ銀行に預けておくだけで2%の利率がつく時代もありましたが、今は預貯金以外の金融商品に投資をしなければ2%にはなりません。

ただ2%であれば、ハイリスクな金融商品に投資する必要はありません。リスク・リターンが小または中の外貨預金・投資信託・変額保険の中でも、比較的ローリスクなもので、予定利率が2%のものがないか探してみると良いでしょう。

4:単利か複利かを確認する

なるべくリスクを減らして目標とするリターンを得たいなら、長期に預けることで運用利率が上がるので、時間を味方につけることが必要です。そのため、いったん投資してから「実は思っていた条件と違っていた」と気が付いて資金を引きあげると、大きなマイナスになってしまいます。

そうならないためにも、投資前に確認しておくべき事項をご紹介します。

さきほど、運用利率と目標額の関係について具体例をみましたが、利率を見る際に注意点があります。それは、利率の付き方には、単利と複利の2種類があるということです。

単利の場合、元本に対して発生した利息は元本に含まれません。なのでいつまでも当初の元本をもとに、利息が計算されます。これに対して複利は、発生した利息は元本に含まれて、大きくなった金額に対して次の利息が計算されます。元本も利息も雪だるま式に大きくなっていきます。

さきほどの具体例も1年複利で計算しています。もし単利の場合は、さらに大きい運用利率を求めて、ハイリスクな金融商品を選ぶ必要が出てきます。利率の付き方は意外と見落としがちですが、単利か複利かは運用益に大きく影響してくるので、注意しましょう。

以上、“投資=ハイリスク”というイメージを払拭するための、資産運用の基本をご紹介しました。

とはいっても、投資をするからには元本割れのリスクがつきまといます。分散投資など、リスクを低減する投資方法もありますので、まずはファイナンシャルプランナーに相談してみるといいでしょう。

(ライター 大津留ぐみ)

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