ちょっとのコツで、日々の生活を豊かにしてくれる「人間関係」。でも、学校や職場で人間関係についてちゃんと教えてもらったなんて人は少ないのではないでしょうか。

そこで、第3回となる今回は、コミュニティの中で「ごきげん」を保つためのレッスンをお届けします。

「挨拶+α」ちょっとしたひと言をマメに伝えよう

人間関係がうまくいっている人には、いくつかの共通する習慣があります。「ごきげん」でいることもそのひとつ。逆にいうと、人間関係がうまくいかず、孤立しがちな人は、「不機嫌」になっている傾向が……。

今回は、コミュニティの中で「ごきげん」を保つために無理なくできて、効果が高い方法をお伝えしましょう。

まずは、ちょっとしたひと言をマメにかけ合うこと。身近な人との風通しがよくなると、安心して毎日が送れるというもの。「自分からは話しかけにくい」という人もいますが、「挨拶+α」なら、だれでもできるはず。「おはようございます。今日は天気がよくなりましたね」「最近、忙しいですか?」「週末のイベント、行かれました?」など、なんでもいいのです。

日常会話で意識したいのは、“質”より“回数”。他愛のない無駄話を交わしているうちに、相手は「気にかけてくれている」「認めてくれている」と感じて、自然に助け合ったり、深い話もできたりするようになります。

「最近、見なかったね」と気にかけていることを伝える。「短い髪も素敵ね」と相手の変化に気づく。「大丈夫?」「困ってない?」と思いやりを示す……など、小さなコミュニケーションをとろうとする姿勢が、大きな信頼につながっていくのです。

タイプ別に「共感できる点」「学ぶ点」にフォーカス

いい人間関係をつくっている人は、社交的で話し上手な人というイメージが強いかと思いますが、実際は相手の話をよく聴いて、「ほんにそうよね~」「私もそういうことあるよ~」などと共感してくれる人です。

しかしながら、人の話を聴くのは、だれでもできるようで、意外とむずかしいもの。心のなかで「いやいや、それって違うでしょう」とイライラしたり、つい説教じみたことを言ってしまったり。ひどい場合は、「私なんかね~」と自分の話にもっていく人もいます。

それは、“聞く”ではなく、“聴く”の訓練ができていないからかもしれません。

自分の価値観で「いい/悪い」「正しい/間違っている」とジャッジしながら聞いてしまうから、無意識に正しさや優劣で勝負しようとする対立の構図ができてしまうのです。

だれだって、自分をジャッジされることを求めているのではなく、楽しく会話ができる人を求めています。そして、だれもが自分をわかってほしいと思っています。

話をじっくり聴ける人は、「人は人、自分は自分」の線引きができている人です。

自分と価値観が違う相手でも、「それぞれの考えがあっていい」とスルーするクセができれば、人間関係は驚くほどラクになります。

話を聴くポイントは、相手との「違う点」を探すのではなく、それはあたりまえにあるものとして、「共感できる点」や「学ぶ点」にフォーカスして聴くこと。

自分と異なるタイプの相手からは「共感できる点」、似たタイプの相手からは、「学ぶ点」を探すようにすると、興味と好感をもって相手を見るようになります。

すると、相手も映し鏡のように、あなたに興味と好感をもってくれるのです。

お礼は2回で効果も倍増!

人間関係は、“礼儀”さえできていれば、メンドウなことにはなりません。

あなたのまわりにも、生意気で言いたいことをハッキリ言うけれど、「礼儀正しいからかわいがられる」「なにかと許されている」という人がいるのではないでしょうか。

礼儀とは、お礼を言う、迷惑をかけたら謝る、返事をすぐにする、人の話をちゃんと聴くなど、「あなたを尊重しています」という気持ちを示すもの。礼儀のある人は、安心感があるのです。ただし、礼儀は、あたりまえのことのようですが、つい適当になってしまうことがあります。

たとえば、先輩にランチをご馳走してもらったとき、どんなふうにお礼をいいますか?

「ご馳走さまでした~」と会計のときだけお礼を言えばいい、「おいしいお店、たくさん知ってますね~」なんてヨイショすれば十分だと思っているかもしれませんね。

しかし、かわいがられる人は、帰宅後のメールや翌朝の挨拶でもう一度、お礼を伝えます。1回の言葉が大したことがなくても、2回伝えると、数倍の効果があるのです。自分が先輩だとしても、「そんなに喜んでくれるなら、また連れていってあげよう」という気持ちになりますよね。

数ある礼儀のなかでも、「こちらから挨拶する」「お礼は2回伝える」の二つは、簡単にできて効果大。せっかくやるのだから、丁寧さも心がけるようにすると、周囲のあなたを見る目も変わってくるでしょう。

「ありえない!」は「あるかもね」に変換

私たちの日常生活には、ありえない人がいて、ありえない行動をとるものです。

たとえば、約束を守らない、礼儀を知らない、態度がでかい、人の批判ばかりするなどなど、こちらの想像を超えてくることに対して、私たちは「ありえない!」と思ってしまいます。

そして、一つのイヤな点を見つけると、相手のすべてが嫌いになる。果てにはにっくき敵のように思い込んでしまうのです。

しかし、この「善か非か」という二極思考は、人間関係を築くうえでもたいへんソンなこと。いちいち心で「ありえない!」と否定していたら、自分自身が疲れてしまうでしょう。

そこで、「ありえない!」の代わりに、この魔法の言葉を使ってみてください。

「あるかもね」

これまで否定していた人を「あるかもね」と肯定すると、人には人のさまざまな事情があるのだと思えてきませんか。

「そういうところもある」と、相手の“一部分”として客観的に見られるし、「じゃあ、どうしましょうかね?」と発展的にも考えられます。

「ごきげん」でいれば、相手への期待を手放せる

これらのメソッドや習慣で大切なのは、相手を変えようとするのではなく、あくまでも「自分のごきげんを保つため」に使うこと。相手に期待しないで自分に期待できるようになれば、人間関係のストレスは劇的に減り、人にもやさしくなれるのです。

*次回は5月22日(火)公開予定です。
(有川真由美)