マイホームをもつにあたり、マンションと戸建て、どちらにしたらいいか迷う方もいることでしょう。選ぶうえで金銭面も外すことのできない条件です。
今回は、不動産のコンサルティングを行うハイアス・アンド・カンパニーの川瀬太志さんと矢部智仁さんに伺ったお話を参考に、“マイホームにかかるコストと財産価値”についてお伝えします。

マンションと戸建て…コストがかかるのはどっち?

マンションと戸建てでは、どちらのほうがコストがかかるのでしょうか。まずは購入価格から考えていきましょう。

川瀬「購入に関しては、マンションでも戸建てでも、同じエリア内なら駅から近いか離れているかが値段に影響してくるところです。ですので、購入コストはマンションも戸建ても場所の選択次第ということになりますね」

たしかに、駅前の物件と駅からバス15分の物件とでは、利便性から価格に差が出ますよね。駅前のマンションは人気ですが、やはり値段は高め。戸建てであっても駅から離れるほど価格は下がる傾向にあります。

では次に、入居後にかかる費用を考えてみましょう。

川瀬「マンションには、修繕積立費や管理費・共益費、駐車場代など、建物価格以外にかかる費用があって、これは住宅ローンが終わってもずっと払い続けなければなりません。

一方、戸建ての場合は修繕費を強制的に払うわけではありませんが、メンテナンスを自分でしなければならず、そうなると実はマンションと変わりありません。

戸建てとマンションの違いは、自己所有なのか共同生活なのかというところです。マンションの中での自分の持ち分は決まっていて、それ以外の廊下やエレベーター・エントランスなどはみんなで所有している。その維持費を延々と払い続けるわけです。

戸建ての場合はどれだけ故障しようが、自分さえよければ修繕しなくてもいいですよね」

矢部「損か得か、だけの話ではありません。自分の財産を自分の意志でコントロールできるかどうか、という点も異なります。マンションは共有財産なので、修繕などにも他の住民の同意が必要となりますが、戸建ては修繕や取り壊し、建て替えも自分の判断で可能になります

単純にコストを比較するだけでは、どちらがいいとは一概に言えないことが分かりましたね。

ポイントは、“戸建ては個人所有物なので意思決定が自分自身にあるということ、マンションは建物が共有財産のため自分の持ち分以外は自分の意志だけではどうにもできない”というところでしょう。

財産価値をもたせたいなら?

家を買うときには、将来売りに出したり貸したり、そういった先々のことも見越しておきたいところ。

老後に介護施設にお世話になるような場合、家を手放すことで資金を用意することができたり、また子どもに資産として残す場合にも、不動産は大きな意味をもちます。

川瀬「戸建ての場合は土地の値段比率が非常に大きくなりますが、マンションはみんなで土地をもつため、その分、より好立地に住むことができます。

資産価値を考えてマンションを買うなら、非常に好立地なもの、利便性の高いものの中から、自分の予算で購入できる一番高いマンションをおすすめします。やはり利便性の高い物件は売りに出したときに買い手が付きやすく、資産価値としては大きいです。

実際に郊外にある利便性の悪いマンションは、売りに出してもなかなか売れないというのが現状です」

近年では、空き家問題が大きな社会問題として取り上げられていますが、この“売れない物件”が空き家問題にも直結しているよう。

矢部「10年後、20年後、30年後を考えたときに、お金に換えやすいのはどんなところか、という視点は大事です。

マンションは都市部であれば貸しやすい、戸建ては都市近郊であれば売りやすいと思います。やはり通勤に便利であることは、お金に変えようと思ったときに大きな利点です」

マンションにしても戸建てにしても、建てられる土地は限られていますので、利便性や立地を考えて選びたいところですね。

いかがでしたか?

ライフスタイルに合わせて選びたいマイホームですが、金銭面を切り離して考えることはできません。多くの方にとって人生で一番高い買い物になるはずですから、ぜひ慎重に選んでくださいね。

(ライター 沖田かへ)

【取材協力】

※ 川瀬太志・・・ハイアス・アンド・カンパニー取締役。住宅不動産会社の経営指導や一般消費者が住宅取得で失敗しないよう 「セカンドオピニオン」活動を行うほか、不動産のプロによる相続サポート「不動産相続の相談窓口」事業も展開。

※ 矢部智仁・・・ハイアス・アンド・カンパニーハイアス総研研究員。マーケティング、調査研究活動に従事し、住宅不動産業界向けの講演や執筆を通じた提言活動の傍ら、消費者向けにも賢い住宅取得のための勉強会での講演も行う。

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