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皆さんは、日々のニュースをどのような方法でチェックしていますか? 社会人としてニュースは詳しく知っておいた方がいいと思っていても、忙しいとどうしても情報収集が後回しになってしまったり、芸能人のゴシップ記事やSNSのチェックに時間を使ってしまって後悔した経験を持つ方も少なくないのでは?

でも、働く女性がニュースに親しんでおくと、思わぬ形で役立つ瞬間も訪れます。

今回は、『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎)の著者である時事芸人のプチ鹿島さんに、どうしたら日々のニュースを“おもしろく”受け止められるようになるのかを聞いてきました。

プチ鹿島さんは、日々のニュースやゴシップを、おもしろく、わかりやすく伝えるプロフェッショナル。

毎日のニュースがもっとおもしろくなる情報収集の習慣とは?

 

■まるでプロレス!新聞の醍醐味は各紙の「ポジション」の違いを楽しめるところ

――プチ鹿島さんのラジオを聞いていると、ニュースをおもしろがっていることが伝わってきます。だから、聞いている私たちリスナーも楽しくなり、そのニュースについて調べてみたくなる。鹿島さんはなぜ、そういう話し方ができるんでしょうか?

プチ鹿島(以下、鹿島):小さい頃から好きなプロレスから教えられたことも多かったと思います。詳しくは『教養としてのプロレス』(双葉新書)にも書きましたが、プロレスって、どの席から見るかで印象が全く異なるんですよ。

新聞はニュートラルなものだと思われがちだけど、じつはそれぞれ“座席”(ポジション)があって、同じニュースでも報じ方が異なっています。

自分の“座席”を固定してしまうと、見落としてしまう情報ってけっこうあると思います。

「あの座席から見たものは信頼できない!」と情報を遮断せずに、いろんな角度からニュースをながめると、おもしろい発見がたくさんあるんじゃないでしょうか。

 

――“座席”(ポジション)って、どんなものですか?

鹿島:率直に言えば、保守派・リベラル派があるということです。朝日・毎日・東京が“リベラル”、産経・読売が“保守”と言われています。

日経は経済中心なので真ん中ですが、現政権のなかでいかに利益を出すかを考えるメディア。保守・リベラルどちらも眺められるようにウェブ版でもいいからできれば一紙ずつ読んだ方がいいと思います。

――なるほど。各紙よって“キャラクター”もあるんでしょうか?

 鹿島:新聞って、“古いメディア”だと敬遠されることもありますが、擬人化してみると、各紙のキャラクターが見えてきます。 たとえば全国紙と、東京新聞だったら……

・朝日新聞・・・高級な背広を着たプライド高めのおじさん

・産経新聞・・・いつも小言を言っている和服のおじさん

・毎日新聞・・・書生肌のおじさん

・東京新聞・・・問題意識の高い下町のおじさん

・日本経済新聞・・・現実主義のビジネス一筋おじさん

・読売新聞・・・ずばり“ナベツネ”

という感じですかね。

――結局、全部おじさんなんですね(笑)

鹿島:おじさんって、いいことも面倒くさいことも言うじゃないですか。「この人の言うことなら信頼できる」という人を見つけて、聞く側で取捨選択すればいいと思います。

おじさんによって、“得意な芸”が異なりますから、「この分野はこのおじさん、あの分野はこのおじさんに聞いてみよう」という風にとらえてみるといいかもしれません。

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■新聞の一面を読み比べることで、「半信半疑」が楽しめるようになる!

――鹿島さんのようにニュースを楽しむには、まず知識をためないといけないので時間がかかってしまうのだと思うのですが、どうですか?

鹿島:たしかに時間がかかると思います。

今は、最短距離で情報にたどりつくことを求める、効率重視の風潮がありますよね。

ニュースサイトはたくさんあるし、「Yahoo!ニュース」では、新しいニュースがどんどん流れてくる。でも、「どこが報じているのか」「誰が言っているのか」を把握せずに、なんとなく読んで理解した気になっているともったいないと思うんですよ。

例えば、ニュースの出典元が「東京スポーツ」か「朝日新聞」か「アサヒ芸能」かで意味合いが変わってきますから。

逆に、新聞というのは、取材して裏をとった情報が並べてあるからこそ、ある意味確実。

インターネットだとニュースの出典元を意識しづらくなるから、“ポジション”の異なる2紙を読み続けることが最短距離なのかもしれません。

新聞は必ずしも朝、読まなくてもいいし、新聞社のサイトに直接アクセスして、1面の見出しだけでも読み比べてみるといいですね。

“新聞を読み続ける”ハードルをそれくらい下げておいた方が楽しく読み続けられると思います。

 

■1つのメディアにのめりこまずに「半信半疑を楽しむ」ことも大切

――著書の中の「(読者の)“過剰な黙殺”と“過剰な絶賛”は表裏一体」という一節が胸に刺さりました。

鹿島:今は「正しいかどうか」より、“わかりやすくて、おもしろくて、刺激的な情報”を効率よく得られることが求められるし、“わかりやすくて、おもしろくて、刺激的な人物”が取り上げられます。

そして、そういう事や人に対して過剰に賛美したり、逆にバッシングしたりして、「イエスかノーか」をすぐに決めたがる風潮ってすごくあると思うんですよ。

でも、「イエスかノーか」をすぐに決めないで、立ち止まって迷うポジションがあってもいいのかな、と。“半信半疑”を楽しむ力というのが、幅広い情報に触れることで、養われるんじゃないかなと思います。

 

以上、プチ鹿島さん流のニュースの読み方でしたが、いかがでしょうか。

『芸人式新聞の読み方』には、他にも新聞を下世話な視点で楽しむ方法など、目からウロコの情報が満載!

世の中に“フツーの人”なんていないように、“偏りのないメディア”なんてじつは存在しないのだとしたら……?

半信半疑を楽しみながら様々な媒体から情報を収集することで、ニュースを斜めから見たり、輪切りにしたり、俯瞰で見たり、“愛あるツッコミ”を入れながら見たり、いろんな見方ができるようになるのかもしませんね。

 

■書籍情報

プチ鹿島(2017)『芸人式新聞の読み方』(幻冬舎)

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【取材協力】

※ プチ鹿島(ぷちかしま)・・・1970年長野県生まれ。スポーツからカルチャー、政治まで幅広いジャンルをウォッチする「時事芸人」として、ラジオ、雑誌等で活躍。著書に『教養としてのプロレス』、『東京ポッド許可局』(共著)がある。オフィス北野所属。

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