近ごろ、「体幹」を鍛えようという情報をよく耳にします。体幹とはどこのことで、鍛えるとどういった変化があるのでしょうか。

ピラティストレーナーで理学療法士、鍼灸師でもある仲川豊基さんは、「体幹とは胴体の軸を支える筋肉のことです。体幹の力が弱いと、姿勢が悪い、ウオーキングの姿が左か右にぶれる、猫背になる、おなかに脂肪が溜まるなどになりがちです」と話します。

美しいボディラインや歩き姿に近づくために、女性でもトライしやすい体幹強化エクササイズを教えてもらいましょう。

動きはゆっくり呼吸は深くでインナーマッスルを強化

はじめに仲川さんは、体幹を鍛えるコツについてこう話します。

「体の内部の筋肉である『インナーマッスル』を意識してください。インナーマッスルを強化すると、筋肉がどの部位でも平均的につくようになるため、姿勢や左右のバランスが良くなります。そこで、エクササイズの初心者でも実践しやすいピラティスで、体幹を引き締める動きを紹介しましょう。継続しやすいように、毎朝、3~5分でできるように考えています」

また仲川さんは、「ピラティスは女性の体幹強化に役に立ちます」と言い、次のポイントをあげます。

・筋力が少ない女性でも動きやすい。
・インナーマッスルを鍛えるには腹式呼吸が有用で、ピラティスは腹式呼吸で行う。胸式呼吸が多い女性もがピラティスを試すとよい。
・どの動きも、骨盤底筋を強化する。
・女性の腰痛の原因の一つに多い、反り腰の対策になる。
・腹圧を高める動きが多く、便秘の改善につながる。

続いてピラティスの特徴と呼吸法について、次のように解説を加えます。

「ピラティスはバレリーナがしなやかな筋肉をつくるために用いたエクササイズであり、リハビリの場面でも多用されています。自分の体重を利用したトレーニングですので、誰でもすぐにスタートできるでしょう。

ピラティスでは呼吸が重要です。鼻から息を吸って、次に口をすぼめて細く長く吐く腹式呼吸をしながら行います。ポーズに集中して呼吸が浅くならないように、動きはゆっくり、呼吸は深くを心がけましょう。

また、おしりを常に閉めるようにしましょう。先にお伝えしたように、女性は『骨盤底筋』の強化になることが知られています」

では、具体的な動きをレクチャーしてもらいましょう。

(1)テーブルトップ

簡単なポーズなので呼吸を意識する動きとして最適です。足を上げるときに腹筋の前側にある腹直筋(ふくちょくきん)を使います。呼吸でインナーマッスルが刺激され、足を下ろすときに腰が反らないようにすることで体幹を安定させる筋肉が鍛えられます。

DSC_1071s

あお向けに寝て膝(ひざ)を90度に曲げて立て、鼻から息を吸い、口から息を吐きます。

DSC_1074s

次に、股関節と膝関節は90度に保ったまま、鼻から息を吸いながら足を持ち上げます。5秒ほどキープしてから、口から息を吐きながら足をゆっくりと床に降ろします。腰が反らないように行いましょう。ひと呼吸し、3~5回をくり返しましょう。

(2)ショルダーブリッジ

ピラティスの基本的なエクササイズです。ふとももの裏側からおしりにかけてシェイプアップし、体幹を安定させます。

DSC_1079s

あお向けに寝ます。足を骨盤ぐらいの広さに開き、膝を90度に曲げて鼻から息を吸って準備をします。口から息を吐きながら肩あたりから上げるようにおしりを浮かせて、膝(ひざ)から肩が一直線になるようにしましょう。腰が反らないように注意し、鼻から息を吸って5秒ほどキープします。その後、口から息を吐きながら、おしりをゆっくり下ろします。ひと呼吸してから、2~5回をくり返しましょう。

(3)フライングドッグ

対角線に手足を上げて、不安定になりそうな姿勢を支えて安定させる動きです。背中とおなかの筋力とバランスの能力が鍛えられます。また、呼吸を意識しながら行うとインナーマッスルの強化につながり、頭から足の先までを床と平行に保つことで、体幹が鍛えられるでしょう。

DSC_1082s

DSC_1086s

よつんばいになり、鼻から息を吸って準備をします。次に口から息を吐きながら、右の手と左の足を床と平行になるように上げ、頭から足の先までを一直線になるようにします。

鼻から息を吸って3~5秒キープしましょう。その後、口から息を吐きながら元に戻します。ひと呼吸して、左右を入れ替えて同様に行います。左右で1回とし、3回をくり返しましょう。

(4)ウエストスクイーズ

体をねじることでシェイプアップとウエストのストレッチを同時に行えます。簡単な動きですが、呼吸を意識して行うと筋肉への刺激がアップします。

DSC_1096s

あお向けに寝て、両方の手を真横に水平に開きます。膝はそろえて90度に立てます。鼻から息を吸って準備をしましょう。

DSC_1101s

DSC_1102s

次に口から息を吐きながら、左右の膝をそろえて右側に倒していき、顔は左の方を見ます。鼻から息を吸って5秒ほどキープしましょう。その後、口から息を吐きながら、足と顔を元の位置に戻します。

両方の手が地面から離れないように、また、腰をねじる際に腰が反らないように注意してください。ひと呼吸して、左右を入れ替えて同様に行います。左右で1回とし、3回をくり返しましょう。

最後に仲川さんは、体幹ピラティスを行うタイミングや回数について、こうアドバイスをします。

「まずは、これらを通しで1日1セット、1週間に3~5日実践すると、体を動かすことに慣れてきます。その後、もう1週間、合計2週間の継続を目指してください。おなかの脂肪が減って、少し姿勢が伸びたことに気づくでしょう」

実践してみるとまず、おしりを上げたり腰をねじったりすることで、背すじが伸びて背中や腰の周りが軽くなるように感じます。ストレッチとしても活用できるため、朝、布団から出る前や、夜に寝る前などの少しの時間でも行いやすく、またエクササイズ後にはそう快感を覚えるので、この方法なら女性のビギナーも無理なく継続できるのではないでしょうか。

(取材・文 藤井空/ユンブル)