医師がすすめる1日1食で痩せる方法

石原新菜医師

やせる体を作るには、1日3食よりも1食の方がいい? お米は食べた方がいい? アルコールは飲んでも大丈夫? などなど、巷でよく話題になるダイエットの疑問。

健康的にやせるにはどうしたら良いのでしょうか。東洋医学や漢方医学、自然療法の考えをベースに答える『石原新菜的 やせるのは、どっち?』(小学館)を上梓した「イシハラクリニック」の医師・石原新菜先生に、ダイエットの新常識についておうかがいしました。

デスクワーカーは1日1食で大丈夫

――今回のご著書の中で、もっとも驚いたことが「1日1食で大丈夫」ということでした。それで本当に体は大丈夫なのですか?

石原新菜先生(以下、石原):みんな、食べすぎなんです。昔に比べたら、肉、卵、牛乳などの高栄養なものを摂れるので、少々食べなくても栄養失調にはなりません! 現代人が3食しっかり食べると、やっぱりカロリーオーバーになってしまうんです。

ダイエットの基本は、運動をすることで代謝を良くして、食事を減らすこと。ですから、運動もせずにデスクワークだけをして、1日3食食べてやせるなんて夢のような話です。そこで1日1食、夕食だけをおすすめしています。

私は朝食に、体を温めて代謝を良くし、ビタミンも豊富で利尿作用がある「りんごとにんじんの生ジュース」を飲み、お昼には同じく体を温めて代謝アップが期待できる「しょうが紅茶」に、黒糖やハチミツを少し加えて糖分を補給しています。その代わり、夕食は腹八分目であれば、ビールも飲みながら好きなものを食べています。

――夜に食べると太りそうな気がするのですが、なぜ夜に1食なのですか?

石原:単純に朝ごはんの方が量を減らす方が簡単だと思うんです。朝をしっかり食べて、夜に食べないという人もいらっしゃいますが、家族や友達とごはんを食べたり、接待や飲み会も、夜になることが多いですよね。

まず最初は1日2食にしてみて下さい。お昼は食物繊維やビタミン補給に良いわかめや、体を温める働きがあるネギやとうがらしをトッピングしたおそばを食べて、夜はなんでもいいという風にすると、続けやすいですよ。

水を飲み過ぎると「水毒」になる恐れも

――もうひとつ、水の飲みすぎが、むくみや水太りの原因になるということですが、水をこまめに飲むことはダメなのでしょうか?

石原:もちろん運動などで汗を出している人は飲んでもいいのですが、何も動いてないのに2リットル飲んでも、むくみとして溜まるだけなんです。水は0カロリーでも、体に溜まれば重さになります。必要以上に飲みすぎると、体温を逃がさないように血管がキュッと収縮し、全身の血行が悪くなります。その影響で尿をつくる働きを担う腎臓の血流も悪くなり、体内の老廃物を排泄する働きまで悪くなってしまいます。

やってくる患者さんの7割が、漢方でいうところの水の代謝障害 「水毒」です。水を飲まないといけないと思い込み、1日4リットルも飲んでる方までいました。一般に人の体に必要な水分量は1.5~2リットル。この量は普通に食事をしたり、お茶を飲んだりしていれば十分に摂取できます。

「水毒」は肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、不安になる、眠れないとか、うつっぽくなるなど、西洋医学だと自律神経失調症と言われ、心療内科に行かされてしまう症状を引き起こす原因にもなるので、くれぐれも注意してください。

触って冷たいところは「水太り」の可能性アリ

――自分が水太りかどうかチェックするにはどうしたらいいですか?

石原:二の腕や太もも、おなかのたるんでいるところを触ってみてください。肌がほかの部位より冷えているように感じたら、それは水太りです。その場合、ただの飲みすぎなので、水を控えると、あっという間に体重が落ちていきますよ。

それから、水太りの人はいつも汗をかいて、暑そうに見えるので、体温が高く代謝がいいと思われがちなのですが、これは体内の水が多すぎて、水があふれ出てくるような状態なんですね。運動やお風呂で体温が上がったときに熱を下げるという本来の汗の働きではなく、ただ吹き出ているだけ。水太りの人は常に濡れた水着を着ている状態で、自分の水で自分の体を冷やしてしまうので体温が低く、代謝が悪いんです。

人によって運動量、筋肉量、体温、代謝量は違いますし、さらに言えば、気温や湿度によっても必要な水分量は変わります。喉が乾いたら、その分だけ飲むのがちょうどいいんです。

筋肉を増やして基礎代謝アップ

――食事を減らすだけでなく、やはり運動はした方がいいのでしょうか。

石原:運動をしていないと、消費カロリーが少ないので、1食しか食べていなくても、やせないんです。わたしたちは進化の過程で空腹に対する対処法を身につけ、1食のエネルギーでも体は適応してしまうんですね。

それから、年を重ねるごとに太りやすくなったと、実感しませんか? それは体温の4割が筋肉から出ているためで、筋肉が落ちていくと、低体温になって代謝が悪くなることが原因なんです。だから、筋肉モリモリの人は太らないし、体温が高いので薄着の人が多いですよね。体温が1度上がると、代謝は12%上がります。同じものを食べても、35.5度の人と36.5度の人なら、体温が高い人の方が燃えるんです。

ダイエットのための運動というと、ウォーキングやランニング、ヨガなどの有酸素運動が思い浮かぶと思うんですが、同時に短距離ダッシュや筋トレなどの瞬発力でおこなう無酸素運動で筋肉も増やすことがおすすめです。筋肉をつけると、運動をしていなくても代謝が高い状態が続くので、効率よく燃焼させることができるんですよ。

下半身を鍛えて内臓の老化防止

――アラサー世代以上の女性が、とくに鍛えた方がいいところはありますか?

石原:40代ぐらいから漢方で言うところの「腎虚」と言われる症状が出て、下半身の筋力がどんどん落ちてくるんですね。人によっては20代から始まっていて、下半身の筋力が落ちると、老化も始まるんです。要は足腰の筋力が衰えると、おへそより下の子宮、卵巣、膀胱、腎臓といった下半身の臓器も一緒に衰えてきます。運動をしていないと、更年期にもなりやすいし、腎臓の働きも落ちてくると、水分を飲んでも外へ出なくなって、むくんでしまう。

それに、漢方の考えでは、子宮や卵巣が元気に動いていたときは下半身にめぐっていた血が、子宮や卵巣の動きがストップすると上に上がってくると言われています。更年期の症状は、ほてり、ホットフラッシュ、のぼせ、動悸、血液が頭にのぼってイライラする、眠れないなどがありますが、それが関係しているんですね。ですから、とくに30代、40代の方は今から下半身を動かして、下に血が集まるようにしておけば、更年期の予防にもつながります。

夏は腹巻で冷え対策を!

――これから、ダイエットに挑戦しようとしている人へメッセージをお願いします。

石原:夏はクーラーの中、薄着でいるので、体がとても冷えます。腹巻きをして、まずは冷え対策を心がけて下さい。上着を着ることも大切ですが、腹巻きをすると、胃や腸、肝臓、腎臓といった数多くの内臓が温められ、血流が良くなり、代謝が良くなるので、おすすめですよ。

それから余談ですが、日本には華奢でか弱い女性が男性にモテるという風潮があり、「私って低体温なんです~」「貧血がひどくて~」などと、か弱いことがいいと思っている女性が少なからずいるのですが、ダメダメ。とても不健康です! そんな男性にはなびかず(笑)、しっかりと筋肉をつけて、代謝を上げて燃やすような発熱ボディを作ってくださいね。

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