『BizLady』では、各界で輝かしく活躍している女性のみなさんに、ゲストライターとして寄稿いただいています。今回のゲストライターは、“女性が豊かに生きていくために自由に学ぶ”をコンセプトに、女性なら誰でも参加できる学びの場『女子未来大学』を設立した、株式会社OMOYA代表取締役の猪熊真理子さんです。(編集部)


『BizLady』読者の皆さん、はじめまして。株式会社OMOYA代表取締役の猪熊真理子です。

学生時代に心理学を学びながら「女性が自由に豊かに生きていくためにどんなことができるだろう?」と考え始めて、約10年が経ちます。その間、就職・起業を経て現職に至りましたが、講演やイベント、そして弊社で運営している社会人女性の学びの場『女子未来大学』などの活動を通して、数千人を超える女性たちと出会ってきました。

そんな数多くの出会いから得られた、これからの女性たちの可能性をひらく新しいコンセプトについて、何回かに分けてお伝えしていきたいと思います。

 

■“女性の活躍”っていったい何?

最近急に“女性の活躍”という言葉が頻繁に叫ばれるようになったのを、疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

とくに近年、安倍政権が成長戦略として“女性活躍推進”を掲げてからというもの、改めて“女性活躍”や“女性が輝く社会”という言葉をいたるところで耳にするようになったと思います。

“活躍”と言っても、いろんな“活躍”があるでしょう。でもとくに“女性の活躍”という文脈で語られているものは、いったい何でしょうか?

日本の働く環境は、まだまだ既存の価値観の上に成り立っています。これまでにお会いした女性の中には、「昇進して今の役職を手に入れるために、男性の何倍も頑張った」「社内の中で女性である私が認められるために、仕事に自分の全てを捧げてきた」「女性だからそこまでしなくていいよ、と言われて悔しかった」など、ある意味、男性と対等に、時にはそれ以上に、女性たちが頑張らないとなかなか“活躍”できないというお話を耳にしてきました。

 

■“オス化しないと活躍できない”は本当!?

今の日本における女性活躍の問題の一つは、男性と対等に、もしくはそれ以上に頑張って、女性がある意味、“男性化(オス化)”することによってしかなかなか活躍できないということにあるのではないかと思っています。つまり、活躍の方法が限られているのです。

本来、“活躍”といえば多様な活躍があって然るべきなのに、活躍している女性のロールモデルの数が少なく、その活躍の方法も少し偏っているのではないでしょうか?

その裏には、今の日本の働く環境が、まだまだ男性を前提とした“仕事を中心に暮らせる人”中心の価値観の上に成り立っていることにありそうです。この既存の価値観が根底にある中では、女性だけでなく、子育てや介護など様々な理由で“仕事を中心には暮らせない人”が活躍していくことは、とても難しくなってしまいます。

誰もが安心して自分の能力を発揮でき、多様なロールモデルによる多様な活躍が、新しい価値観によって正当に評価されること。そのようにして、社会の中で活躍し影響を与えられる人が増えることが、今まさに求められているように思います。

そんな問題意識をもって、これからの時代に、女性が女性らしさやその人らしさを活かして企業や社会の中で活躍できるような新しい活躍の在り方、新しい価値観について考えていた時に、辿り着いた一つの言葉が“母性”でした。

 

■未来を切り拓くコンセプトは“母性”!

“母性”を『広辞苑』で調べると、“女性のもつ母親としての性質。母親として、自分の子どもを守り育てようとする本能的特質”とあります。また過去の歴史を遡ってみると、“母性”については心理学や社会学・ジェンダー学などの分野において、様々な議論がくりかえされてきました。

このように“母性”という言葉の持つ意味は幅広く、また一人ひとりが“母性”を持っているかということについても、個人差があるとされています。

私はこの“母性”を、母親や子育てや家庭の中だけのものとして捉える必要はないと考えています。もっと社会や働く環境の中にまで広げて、新たな価値観として捉え直すことによって、まったく新しい世界が開けてくるように思うのです。

とくに“母性”を特徴づけるものとして、“生み出す”“育む”“受け入れる”という3つの性質に注目していますが、これらは子育てだけでなく“働くこと”にも共通して活かせるコンセプトです。すでに持っている力をきちんと発揮できることで、一人ひとりの女性の能力や可能性をもっと活かせるようになる力、未来を切り拓く力、それが新しい“母性”の力だと考えています。

これから数回に分けて、この“生み出す”“育む”“受け入れる”という“母性”的な価値観を活かした、新しい女性の活躍についてお話してみたいと思います。

(続く)

 

【筆者】​​猪熊真理子(いのくま・まりこ)

株式会社OMOYA 代表取締役社長。東京女子大学文理学部心理学科卒業。学生時代に女性の自信形成に興味を持ち、心理学を学ぶ。2007年(株)リクルートに入社。ブライダル情報誌「ゼクシィ」で編集や企画の経験を積み、美容サロン検索・予約サイト「Hot Pepper Beauty」で事業戦略、ブランドプロモーション戦略、マーケティングなどに携わる。2011年から「女性が豊かに自由に生きていくこと」をコンセプトに、心理学・美容・ファッションなどの観点から商品やサービスの企画・PR・女性支援などを行い、Fashion&Beauty Bloggerとしても活動。2014年2月にリクルートを退職し、3月に株式会社OMOYAを設立。2015年は「人がより良く生きる、より豊かに生きるために」をテーマに、経営・ブランドコンサルティング、企画・マーケティング、女性活躍推進事業などを行っている。

 

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