普段からお子さんをほめていますか? ほめてどんどん子どもを伸ばしていってあげたいですよね。
ところがその“ほめ”には、子どもの自立の足を引っ張る可能性があるなど、知っておきたい側面もあるのです。
今回は『あんふぁんぷらす子育て&マネーセミナー』で伺った、アドラー心理学に基づく“勇気づけコミュニケーション”を広める講演活動なども行っている株式会社子育て支援代表取締役の熊野英一さんのお話を参考に、“ほめ”の副作用を4つお伝えします。

1:ほめられないと、やらなくなる

例えばゴミを拾ったときに、「○○ちゃん、ゴミ拾ってえらいね!」とほめてばかりいると、ほめられるために行動するようになってしまうと熊野さんは言います。

熊野「本来であればゴミを見つけたら率先して拾ってきれいにする、なにかに対して貢献する、ということでゴミ拾いを覚えてほしいはず。しかしそこにほめるという行為が加わることで、ほめられるからやる、といった行動になってしまいます。

つまり、親や先生といった“ほめてくれる人”がいないところではやらなくなってしまう恐れがあるのです」

2:ごほうびがエスカレートする

「静かにしようね。いい子だね~」といったように、子どもをコントロールするために子どもをほめてはいないでしょうか? そこに物が加わって「アメあげるから静かにしようか」などという行動にでていれば要注意。

熊野「はじめはアメで済んでいたものが、それでは満足できず、子どもの要求はどんどん大きくなっていきます」

これを重ねていくと、お菓子では済まなくなってしまう可能性も……。

3:失敗を恐れるようになる

結果をだせば「すごいね!」とほめ、だせなければ「ダメじゃない!」と叱ったりがっかりした顔を見せる……これを繰り返すことで、子どもは「100点をとれない自分はダメな自分だ」と思うようになってしまうのことがあるのだそう。

熊野「そのため、少しチャレンジングなことに関しては、失敗をしたくないため“できない”とはじめからやる気をみせません。子どもは自らできることのハードルを下げ、確実にできることしかやらなくなるのです」

親や先生が結果ばかりを見て評価を下していると、子どもはやる気も自信も失ってしまうのですね。

4:指示待ち人間になる

結果に注目しすぎる結果、失敗を恐れる子どもになってしまうと、自ら何か行動を起こすということをしなくなってしまうとのこと……。

熊野「何をするにも、“ママ、これやっていい?”と聞いてくる子どもになっているようであれば、社会人になったときにも“指示を仰がなければ動けない人間”になってしまう可能性が大です」

自分で決めて自分で動くからこそ、自分で責任をとることもできます。一方指示待ち人間は、何かあったときに人のせいにしてしまうことも……。

ほめられることより、子どもが嬉しいこととは

熊野「ほめることが全て悪いわけではありません。子どもの行動に自然とでるほめ言葉は問題ありません。注意したいのは、ほめるということの裏側に親の下心があるときです。ほめて子どもを自分の都合のいいようにコントロールしようとしてはいませんか?

子どもはほめればもちろん喜びます。しかし、それよりも子どもが嬉しいと思うことがあります。それは“できても、できなくても、親に愛されていること”です」

「できなくてもママは僕のことが好きだよね」、「どんなときでもパパは私のことを愛してくれているよね」と子どもは四六時中、親に確認していると言います。親として、そのサインをキャッチできていますか?

熊野「できる・できないに限らず、ありのままの子どもを愛していることを親が伝えることが大事なのです。それができていれば、子どもは安心し、自分に自信をもち、自分でいろんなことをするように勝手に自立に向かって成長していきます。

そのために、親は子どもをほめるのではなく、ハグをしたり、向かい合って話を聴いたり、その子の存在そのものを認める表現を増やしていきましょう。ほめる代わりに“ありがとう”と感謝を伝え、貢献できた喜びを覚えさせましょう」

なにより、それが子どもを自立へと繋げていってくれるということです。

“ほめ”の副作用をお伝えしましたが、いかがでしたか?

思い当たることがあった方は、子どもとの向き合い方を考えるきっかけにしてくださいね。

【取材協力】

※ 熊野英一・・・株式会社子育て支援代表取締役。アドラー心理学に基づく「勇気づけコミュニケーション」を広める講演活動や、書籍出版を積極的に行う。書籍「アドラー子育て・親育て 育自の教科書―父母が学べば、子どもは伸びる」(アルテ)が発売中。

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