転職をするときに、まず必要なものといえば履歴書。採用されたい会社に応募して最初に見られるものだけに、おのずと力が入りますよね。
とくに、それなりに社会人経験を積んでから転職する場合、どんなポイントに重点を置いて履歴書を書くべきなのか知っておきたいところ。
そこで、エン・ジャパンが119名の転職コンサルタントを対象に実施した「“ミドルの職務経歴書・履歴書のポイント”についてのアンケート」の調査結果を参考に、ミドルといわれる30代・40代の“ダメな転職応募書類”の実態と改善ポイントをお伝えします。
54%の転職コンサルタントが「ミドルの応募書類は残念」と思っている!?
同アンケートで「普段目にするミドルの職務経歴書・履歴書に対する印象を教えてください」と質問したところ、54%の転職コンサルタントが「改善すべき点がある人が多い」と回答しています。
過半数のプロがそう思っていることから、それだけ応募書類が残念な30代・40代の転職希望者が多いということでしょう。
では、どんな応募書類を作れば良いのでしょうか。
応募書類で「やりがちな失敗」トップ3
「ミドルが職務経歴書・履歴書の作成にやってしまいがちな失敗例は何ですか?」との質問には、以下の“やりがち失敗トップ3”が挙がりました。
3位:「レイアウトが見づらい」・・・47%
2位:「専門性や出来ることが曖昧」・・・49%
1位:「情報を盛り込みすぎている」・・・61%
レイアウトは応募書類のパッと見の印象を左右するため、意外と重要な要素なのかもしれません。
また、社会人経験を積んでいるからこそ書ける専門性やスキルがしっかり分かりやすく書かれていないことも、転職する際の“売り”とも言える部分だけにダメージが大きそう。
具体的には、情報を盛り込み過ぎている失敗例として
「転職回数が多い(5回以上)方職歴書で、1社につき1枚~1枚半の経歴を詳細に書かれていたので、最初から読む気がおきず、企業の人事も読まないと思う」
専門性や出来ることが曖昧な失敗例としては、
「経験した職務内容が端的にまとめられ過ぎていて、どんなスキルがあるか読み取りにくい」
といったコメントが寄せられていました。
ミドルの応募書類は、“書きすぎても、書かなすぎてもNG”なのですね。
プロが教える“ミドル世代の転職応募書類”のコツ3つ
ならば、職務経歴書・履歴書の作成にやってしまいがちな失敗をしないためには、どんな対策をすればいいのでしょうか。転職コンサルタントの方々の意見をご紹介しましょう。
(1)応募する各企業の“ポジション”に合わせて書類を作成する
「全ての応募先に出せるような抽象的な書類を作成している場合が見受けられる」というコンサルタントは、「応募する企業のポジションそれぞれに合わせて、書類を作成するようにアドバイスしている」とのこと。
対象を絞っていない、汎用性の高い応募書類を作っていることは、転職や採用のプロから見ればお見通し。まずは、応募する企業や組織のポジションに合わせて1通ずつ丁寧に作り上げることが重要ということでしょう。
(2)応募する職種や業界に特化した経歴を、具体的に書く
「応募する職種や業界に特化した経歴の部分を具体的に書かず、全体的にまんべんなく同じようなボリュームで職歴を記載していると、応募者の特徴(アピールポイント)が見えづらい」と述べるコンサルタントも。
「一見して“企業の希望する人材に近い”と思えるような職歴書を作成したほうがよい」とのこと。
自身の“強み”を印象づけるためには、職種や業界に特化した経歴にボリュームを割いたほうが分かりやすく、“読まれる応募書類”になるようです。
(3)転職回数が多い場合は時系列を簡単にして、職種を年単位でまとめる
さらに転職回数が多い人は、「時系列に記載することで、結局何年経験があるのかわからない場合、時系列は簡単にして、経理10年、営業5年とまとめた職務経歴書の欄を作るとよい」との意見もありました。
社会人経験が長くなると、職種によっては転職回数がかなり多くなっている人もいるでしょう。
全ての経歴を記載する際は、時系列を簡素化するかわりに、読む人が職歴のポイントを掴みやすいように各職種の経験年数をめとめて書いて、一目で把握できるように工夫すると良さそうです。かつ各職種での経験や学びを添えておくと、自分の強みをアピールできるのではないでしょうか。
以上、“ミドル世代のダメな転職応募書類と改善ポイント”でしたが、いかがでしょうか?
これから転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【参考】
※ 「ミドルの職務経歴書・履歴書のポイント」についてのアンケート – エン・ジャパン