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[公開直前☆最新シネマ批評]
映画ライター斎藤香が皆さんよりもひと足先に拝見した最新映画のなかからおススメ作品をひとつ厳選してご紹介します。

今回ピックアップするのは、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずという美女4人が共演する話題作『海街diary』です。カンヌ国際映画祭にも出品され、残念ながら受賞はなりませんでしたが、この映画に出演している美人女優たちがレッドカーペットを歩く姿は艶やかで素敵でした。

吉田秋生の同名漫画の映画化でストーリーはシンプル。大事件が起こるわけじゃないけど、とにかく目が離せないのです。そこはさすが数々の名作を残してきた是枝裕和監督作、登場人物たちの交流と心の微妙な変化に目が釘付けになってしまうのです。

【物語】

鎌倉に住む三姉妹のもとに、別れた父の訃報が届きます。母(大竹しのぶ)と離婚した父には、腹違いの妹、中学生のすず(広瀬すず)がいました。父はすずの母と死別し、新しい妻とすずの3人で暮らしていた様子。山形へ葬式に行った際、長女の幸(綾瀬はるか)次女の佳乃(長澤まさみ)三女の千佳(夏帆)は、初めてすずに会い、素直なすずに好感を抱きます。幸は義母と暮らしていくことに気が乗らないすずの気持ちを察して、別れ際、鎌倉の家へと誘います。そして四姉妹の生活が始まるのです。

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【原作者も嫉妬した完成度高いドラマ】

吉田秋生の原作漫画をずっと映画化したいと思っていたという是枝監督。念願の企画だったわけですが、原作通りというより監督のフィルターを通して、是枝色に染めた映画に仕上がったようです。監督曰く

「最初は原作のシーンを並べ替えて作ろうと思っていたけど、原作にはない部分も含めて脚本にしていこうと考えを変えたのです。場所も人物も限定して、シーンを膨らませていく方がいいだろうと」

そして是枝監督はキャストが決まってからそれを踏まえて脚本を練り上げていきました。

「原作の魅力的なモノローグやト書きに頼るのをやめてみようと。その上でどれくらいそのニュアンスをセリフや表情の中に表現できるか考えました。現場で演出しながら、このシーンは原作にあったかな?書き加えたところかなと。境界線は曖昧でしたが、それはきっと自分の物にできた証拠だと考えています」

是枝監督が作り上げた是枝版『海街diary』は、原作者の吉田秋生さんにもちゃんと届いていたようです。何しろ映画を見た吉田さんが

「幸福な時間だった。そしてちょっぴりくやしかった(笑)」

とコメントしているのですから。自分の子供を知人に預けたら、めちゃくちゃ仲よくなっていて、よかったけどちょっと嫉妬……という感じでしょうか。

【さわやかな風のような映画】

映画は四姉妹の日常が淡々とつづられます。朝起きる、みんなでご飯を食べる、すずが学校へ行く、幸が看護師の仕事をする、佳乃がデートして、千佳がスポーツ用品店で働く……など。でも、それぞれの生活を見せながら、ときどきハっとさせるのです。
すずが義母の悪口をボソっといったり、佳乃の彼氏がうさんくさかったり、離れていた母がやってきて、勝手な事を言い出したり……。自分たちの日常でも、平穏だったのに誰かの一言でさざ波が立ったりすることあるでしょう。「え、いま何て言った?」とドキっとして、いきなりドーンと落ち込んだり、フっと気持ちが上がったり、そんな日常のささやかなアップダウンが丁寧に紡がれている映画なんですよ。

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特に年代が様々な女性が主人公なので、中学生が見れば、すずに感情移入するだろうし、アラサーが見れば幸に気持ちが傾くでしょう。恋愛に悩む人なら、佳乃に共感するかも? 親離れした姉妹たちが、地元の人々やお互いに支えられて、ゆっくりと人生を歩んで行く。心の変化も激変することなくゆっくりと。それが海に近い鎌倉の景色とマッチして、とても心地よいんです。まさにさわやか!

梅雨時期でジメジメしていますが、そんなうっとおしさをぜひ映画『海街diary』で払拭してください。

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『海街diary』
2015年6月13日より、TOHOシネマズ日劇、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
監督:是枝裕和 
出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、加瀬亮、鈴木亮平ほか
(C)2015 吉田秋生・小学館/フジテレビジョン 小学館 東宝 ギャガ

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オリジナル記事: 鎌倉四姉妹のさわやかさが最強すぎる!梅雨のジメジメを吹き飛ばす清らかな映画『海街diary』【最新シネマ批評】
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