年齢を重ねるほど、知識や経験も増えて、自分の判断に自信が出てくるもの。価値観や自分のスタイルが、よくも悪くも確立されてきます。

もちろん、それには良い面もたくさんありますが、ともすると“頑固”で“独りよがり”になってしまいがち。

芯があるのは良いことですが、あまりにも柔軟性に欠けると周囲と衝突したり他人を傷つけたりしてしまうかもしれません。

年齢を重ねるごとにバージョンアップしながら、常に新鮮でイキイキと過ごすためにはどうすれば良いでしょうか。

何もかも自分で成し遂げたと思わない。「半分は運や周囲のおかげ」だと思う

長年生きていると、誰にも頼れずひとりで歯を食いしばらなければならない(と感じる)ようなシーンも時にはあるでしょう。

そんな経験から、「私は誰にも頼らずひとりで頑張ってきたんだからね!」と、心がカチコチになっている人もいるかもしれません。

けれども、完全に独力のみで何かを成し遂げたというのは思い込みかもしれません。宗教人類学者の植島啓司教授の著書『運は実力を超える』 (角川新書)では、“自分の力”というものが自分で思っているよりもずっと小さいことを説明しています。

<一般的に他力本願という言葉がある。普通に考えると、人まかせということだが、しかし、そもそも「他力」なしに人は生きていけるのか。(中略)われわれのまわりには見えない力が働いている。なにもかも自分の力でやり遂げて成功してきたという人などいない。なんらかの助けなくして物事の成就などあり得ないのである>

勉強して試験に受かるにしても、仕事で活躍するにしても、勉強や仕事に打ち込める環境を整えてもらったという感謝の気持ちは忘れずにいたいもの。

また、ほとんどすべての人は社会の中で支えあいながら生活しています。「誰にも頼ってない」と思っているこの瞬間も、厳密には他の人によってあらゆる面で支えられていることを忘れずにいたいもの。

価値観は人それぞれ! 自分だけが正しいという思い込みを捨てる

私ひとりだけが頑張っていて、周囲のヤル気がいまいち感じられない……とイライラした時は、フォクシー社主&クリエイティブ・ディレクター、前田義子さんの新刊『強運のチカラ 思いどおりに自分を生きる』(小学館)からヒントをもらいましょう。

<実は、がんばることには仲間との信頼関係を壊す危険性があると思います。「がんばる」という言葉の語源は「我に張る」だと言います。自分を押し通そうとする自分中心の考え方です。だから、がんばればがんばるほど、悪気はなくても周囲に同じがんばりを求めてしまうのだと思います。自分の気持ちに余裕がないから、同調しないことが許せなくてなおさらつらくなるのです>

「なんで、みんな○○なのかしら……」とイライラした時は、自分の期待や理想が周囲から裏切られた状態。向後千春氏の著書『幸せな劣等感 アドラー心理学<実践編>』(小学館)によると、対策としては、周囲とできる限りたくさんコミュニケーションをとって、共通点を見出すことが大切だそう。

<お互いの私的感覚を語り合うと、どこかで共通点を見つけることができます。共通点とは、両者が合意できる感覚のこと>

“私的感覚”とは、ひとりひとりが世の中の物事の良し悪しを判断する際の枠組み。各人の“私的感覚”が交わっているところが“共通感覚”です。

今の自分に必要ないものは思い切って処分!  定期的にアップデートする

アイドルからキャリアをスタートし、一時代を築いた後も女優・舞台演出・書評など多方面で活躍し続ける小泉今日子さんの姿勢にも学ぶことは多そう。

助川幸逸郎氏の『小泉今日子はなぜいつも旬なのか 』(朝日新書)によると、小泉今日子さんが輝きを失わない秘訣は“変化し続けること”だと述べています。

<小泉今日子は、新しいことに身を投じるだけでなく、自分にそぐわなくなったものには別れを告げてきました。バブル的な悪ふざけの世界にいた残り香は、近年の彼女から消えています>

自分が一番輝いていた時代のファッションや考え方をいつまでも引きずり、「あの頃は良かった~」が口癖になってしまってはちょっと悲しいかもしれません。

持ち物でもこだわりでも、不要なものは定期的に思い切って処分していく姿勢を見習いたいものです。

以上、年齢を重ねるごとにバージョンアップしていくための考え方でしたが、いかがでしょうか?

芯はしっかり残しながらも、いつまでも柔軟性を失わずにいたいですね。

【参考】

※ 助川幸逸郎(2015)『小泉今日子はなぜいつも旬なのか 』(朝日新書)

※ 植島啓司(2017)『運は実力を超える』 (角川新書)

※ 向後千春(2017)『幸せな劣等感 アドラー心理学<実践編>』(小学館)

※ 前田義子(2017)『強運のチカラ 思いどおりに自分を生きる』(小学館)

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